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【Captury】モーションキャプチャーをテクニカルディレクターが一気にレビューしてみた:第十回 前編

テクニカルディレクターの小松です。

久しぶりのこちらのシリーズ。
AIによる姿勢推定モーションキャプチャーが増えてきている昨今、頭ひとつ抜けたプロダクトを見つけてしまいまして、思わず取材を申し込ませて頂きました。
その名も「Captury」。

今回はCapturyの販売を行っているAcuityさんにお邪魔して体験させて頂きました!

東京都品川駅近くにスタジオを構えるAcuity様にお邪魔しました。

毎度お馴染み前後編に分けてレビューしていきます。
それではどうぞ!

※本記事の情報は全て2024年11月時点のものです。



製品概要

マーカーレスモーションキャプチャーの一種で、アバターキャリブレーションにかかる時間は脅威の1秒。
指と表情まで取得可能で、リアルタイムでモーションを出力するもの(CapturyLive)と事前に撮影した映像を元にモーションを出力するもの(CapturyStudio)の2タイプが存在します。
ポストプロセス版ではどのような映像でもモーション生成が可能ですが、リアルタイムで行う場合はPoEカメラを使用する必要あります。

今回はリアルタイム版(CapturyLive)をレビューしていきます。

○ 価格
・レンタル(オペレーター込):
 ¥500,000〜(CapturyLive
・ライセンス購入:
 ¥ 3,850,000(CapturyLive) / ¥ 1,650,000(CapturyStudio
・ライセンス更新:
 ¥ 1,600,000(CapturyLive) / ¥ 650,000(CapturyStudio


総合評価


精度 :      ★★★★☆
遅延 :      ★★★★☆
手軽さ :     ★★★★☆
他ソフトとの連携 :★★★★★
価格 :      ★★☆☆☆


長所

  • マーカーレスのため、スーツを着る工程が必要ありません。

  • アバターのキャリブレーションが1秒ほどで完了するため、スーツ着用工程が無いことも併せて、アクターが入ってすぐに収録を開始することが出来ます。

  • ゲームエンジンなど一般によく連携先として使用されるソフトウェアには既に対応プラグインが存在しており、またSDKも存在するため自身で組み込み幅を広げることが出来ます。

  • モーション計算の仕組み上、ドリフトが存在しません。 

  • AI推定のソフトウェアでありながら、高水準の精度とリアルタイム実行が可能な処理速度をもっています。

  • マーカーレスのため、はいはいをする乳幼児のモーションもキャプチャが可能です。

短所

  • 光学式に近いレベルでキャプチャ環境を整える必要があります。
    (機材は光学式のものと比較すると安価)

  • キャプチャソフトを立ち上げるPCは高水準のGPUを積んでいる必要があります。


どのような人に向いているか

マーカーレスモーションキャプチャを求めている全ての方にオススメ出来ると言えます。
PoEカメラでモーションが取得可能という点で、これまでKinectなどのDepthカメラを用いてインタラクティブなコンテンツを作ってきた方々にも思い当たる使い道が多いのではないでしょうか。

今回はリアルタイム版をレビューしましたが、ゲーム制作や映像制作を行なっている方々はポストプロセス版を使用することで比較的安価かつ手軽にモーションを制作することが可能です。
医療分野で考えると、赤子や車椅子でスーツを着ることが難しい方をキャプチャする際にも選択肢として有用だと思われます。

個人的には、今後光学式モーションキャプチャスタジオに新たに肩を並べてくるプロダクトだと考えています。
そういった意味では、元々光学式のモーションキャプチャースタジオをもっているスタジオは追加機材費がほぼ必要無いという面で導入をオススメ出来ます。



今回の検証には「アキュイティー株式会社」様にご協力頂きました。
Acuityでは、Capturyを利用したソリューション開発やCapturyの他にOptiTrackの販売・サポートも行っています。

Acuity様、この度はありがとうございました!


次回後編では、より詳細に見ていきます!