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BD RESEARCH #1 :RTKことはじめ

テクニカルディレクターが集うBASSDRUMが過去10回に渡って行ってきた、技術の知識や経験を共有するクローズドイベント「総会」。2020年が始まり、この「総会」をより良い形にしようと再構築して生まれたのが、今回開催された「BD RESEARCH」(勉強会)と「BD SHARE」(情報共有会)です。今回はその第1回目の「BD RESEARCH」の様子をお届けします。

テクニカルディレクションという仕事は、深い知識があるに越したことはありませんが、広範に色々な「技」を手の内に入れることも重要な仕事です。「BD RESEARCH」は、案件が発生しないと積極的に触れない技術領域などを、皆で試行錯誤して共に学んでいくような会にしたいと思っています。

・・・

会場はBDも入居するCreative Commune「WHEREVER」。参加者は15名のテクニカルディレクター。テーマは「RTK」です。

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<RTKとは>
『リアルタイムキネマティック』の略で、衛星からの測位データと「基準局」からのデータを参照することで高い精度の測位を実現する技術。現在スマートフォンでも使われているGPS(GNSS)での測位では数メートルの誤差が生じていましたが、RTKを使用することで数センチの精度で測位することができます。

右も左もわからないRTK。(GPSだけに)
BD RESEARCH開催前の準備として、まずはCQ出版から発行されている「トランジスタ技術」を参考に基礎知識を仕込み、RTKスターターキットを購入しました。

目標は善意の基準局掲示板にBASSDRUMの名を載せること!
都内だとまだ4箇所しかありません。

購入したスターターキット。
こちらを基準局と移動局用に2セット購入しました。

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当日は移動局を持ってあちこち歩きまわってその精度を実感できるのがよいだろう、ということで予め基準局を設置することにしました。

まずはアンテナの設置。
設置にはいくつかの条件があります。

・衛星からの電波を効率よくキャッチするためにアンテナの上方が開けている。(ビルなどに囲まれていない)
・下方からのノイズとなる電波を遮断するために金属をアンテナ底部に固定する。
・誤差数センチ、数ミリの精度ためアンテナは絶対に動かないように固定する。

他にも条件がありますが、ひとまず設置するためにBD RESEARCHの会場となるWHEREVERの屋上の鉄骨に固定することにしました。

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あまりにも仮設置!結束バンド万歳!

(当日までの時間がなかったためひとまず、の設置です…これからちゃんと固定方法も考えます…)

次に基盤に基準局の設定をしていきます。

設定のためには基盤に搭載されているモジュール ZED-F9P の開発元のユーブロックス社がだしている受信機設定ツール u-center とそれを動作させるためにWindowsを用意します。
( u-center はユーブロックス社ホームページより無償ダウンロードできます。)

トラ技をみながらポチポチ設定していきます。

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設定最後の項目まで進めていくと、基準局としてキャリブレーションを完了させるために"単独測位を最低24時間稼働させる必要がある"ことが判明しました。
24時間値を取り続けて、その平均を評価値として使用するようです。

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UIがよくわからなかったけど、取れていると信じて明日を待つことに。

24時間後。

iOS の画像 (2)

…Windows Update 走った痕跡。

基盤自体が値を取り続けてるから大丈夫か?と思いましたが、USBバスパワーで基盤の給電一事切れたことになるのでダメでした。

もう会まで時間がないのでキャリブレーションを24時間のところを5分で済ませてガバガバ基準局を完成させました。もはやGPS。

…そんな経緯を冒頭で説明しながら「BD RESEARCH #1」が開催されました。

まずは現場検証。

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移動局もセットアップ(これは24時間いらない)し、トラ技の手順通りにガバガバ基準局に繋げてみるとなんとなく動いてることを確認。
(設定ツールのUIの見方がわからなく、それっぽい値がそれっぽく動いていた。認識もガバガバ。)

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GPSと違いRTKは高度も高精度で測位することができます。
移動局のアンテナを上下するとそれっぽいものが取れていました。

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一通り動かしてそれっぽいものを確認し尽くしたあと、会議室に戻り、設定ツールのUIをモニターに映して何の値が来てるのかを推測したりしながら、あることに気づきました。

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もしかしたら文京区にあるCQ出版様の善意の基準局が使えるかもしれないと。

自前の基準局は移動局との通信をローカルネットワークで構成していたため、WHEREVERのWi-Fiが届く範囲でしか行動ができませんでした。
(なので実際に善意の基準局として提供するためには、サーバーの用意も必要になってきます。)

そのため実際に歩道を歩いたりの検証は諦めていました。

しかしながら、調べてみるとCQ出版様基準局とWHEREVERはRTK有効範囲10km圏内だったのです。
10km圏内の善意が心に沁みます。

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ということで外に出て遊んでみることにしました。

黒っぽいテクニカルディレクター集団、BASSDRUMとその仲間たち。

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パトカーを目の前でも臆せず、計測に有効な動きをしながら道路を横断するテクニカルディレクター集団、BASSDRUMとその仲間たち。

俯瞰で。

無事ログが取れているか確認するテクニカルディレクター集団、BASSDRUMとその仲間たち。

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ログをビジュアライザーに食わしてみると、

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取れていました!
今回は横断歩道の白帯に沿って歩く、ということをしてみました。
ウネウネなっているのが取れています。
使用したビジュアライザーはこちら。

「触ったことがない技術をみんなで一緒に触ってみよう」から始まった「BD RESEARCH」。みんなで体感しながら・考えながらの過程は勉強になり、なにより楽しいですね。次回がすでに楽しみです。

善意の基準局掲示板への掲載目指して、引き続きRTK触っていきます!

おつかれさまでしたー。

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BASSDRUMは、テクニカルディレクターだけを集めた職能コミュニティ、そしてその中核にある会社組織です。さまざまなものづくりに関するプロジェクトにおいて、コアメンバーとして参画し、技術的な側面から寄与していく「テクニカルディレクター・コレクティブ」です。
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