見出し画像

【XSENS】モーションキャプチャーをテクニカルディレクターが一気にレビューしてみた:第四回 後編

BASSDRUMによるモーションキャプチャレビュー第四回の後編、「Movella Xsens Motion Capture」の詳細評価です。
それではどうぞ!

※本記事の情報は全て2023年7月現在のものです。


精度

★★★☆☆

精度は良いです。
基本的に動きは間違いなくモデルに反映されます。
ただし、VICONのように絶対位置情報を取得するのではなく、スーツに仕込まれている各センサーが獲得するのは相対位置なのです。そのため、長時間に収録すると若干のズレが発生すると想定します。

・検証環境
  ハードウェア:
   MVN Link
   MVN LINK LYCRA SUIT
   Xsens gloves by Manus
  ソフトウェア:
   MVN Animate

今回検証した動きは以下となります。
・バンザイ
・腕組み
・ジャンプ
・床座り(あぐら)
・床座り(体育座り)
・床座り(正座)
・椅子座り(立ちから座り、座りから立ちまで)

まず検証する映像をご覧ください。

足の自動接地機能があるため、ジャンプしても床に埋まるズレはしません。以下の動画に示したように、モデルはジャンプするまたは踏み台を上ると、1~2フレームで地面に足がつくようになります。

ただし、ジャンプの部分で示したように、原点から離れると徐々にズレが生じる現象も存在しています。
総合的に見て、精度は必ずしも完璧ではありませんが、補助補正設備などを利用することによって、より高品質なモーションを収録することができるでしょう。

遅延

★★★★★

遅延はほとんどありません。

手軽さ

★★★☆☆

モーションキャプチャを始めるためには、約30分の準備時間が必要です。
XSENS Motion Captureは各センサーの相対位置を利用するため、スペースの確保は必要ありません。そのため、どんな場所でも比較的自由に収録できます

・必要設備
  ハードウェア(MVN Link)
  スーツ(MVN LINK LYCRA SUIT)
  グローブ(Xsens Metagloves by Manusなど)(手部動きをとる場合)
  ソフトウェア(MVN Animate)
・必要人数(アクター含め):2名
・セットアップにかかる時間(モーションキャプチャが可能になるまでの時間)
  約30分
  ・スーツ、グローブの着装:約15分
  ・キャリブレーション:約10分
  ・Unityとの連携作業:約5分
・最低限確保すべきスペース:なし

他ソフトとの連携

★★★★★

公式対応ソフト:
Maya
MotionBuilder
Unity
Unreal Engine
Houdini
iClone

MVN Animate PlusまたはProは公式の連携用プラグインがあります。プラグインを利用し、直接にデータを上記のソフトウェアにストリーミングしてリターゲットすることは可能です
また、研究用途向けに様々なプラグイン・連携ソフトウェアも提供されています。

価格

★☆☆☆☆

・ハードウェア:
  MVN Link(スーツは別売り):要相談
・スーツ:
  MVN LINK LYCRA SUIT:1,090EUR*
・グローブ(任意):
  Manus VR:275EUR*(発売当時。販売終了のため価格は参考)
  Xsens Metagloves by Manus:5,999EUR*
  (Xsens gloves by Manusが販売終了のため価格は不明)
・ソフトウェア:
  MVN Record:無料
  MVN Animate Plus:2,990EUR*
  MVN Animate Pro:要相談

・ランニングコスト:
  年間サポート:100万円(保守管理とバージョンアップ権利)

本体だけではなく、サポートも含めてやや高価なモーションキャプチャーシステムです。
MVN Animateには無料で利用できるプラン(MVN Record)がありますが、同時に1人分のみの動きを収録すること、他ソフトとの連携が利用不可のことという制限もあります。それゆえに、複数人同時に収録を行いたい方やリアルタイムで利用したい方には有料プランがオススメです。
また、スーツはワンサイズではありません。身長・体重が異なるモデルが複数いる場合、一着以上のスーツを購入することも必要です。

*2023年7月7日現在、約169,865円
*2023年7月7日現在、約42,855円
*2023年7月7日現在、約934,881円
*2023年7月7日現在、約465,960円

その他

・連携ハードウェアの利用が可能です。GNSS(衛星測位)HTC VIVEを利用することで、位置補正を行い、位置ズレを解消することができます。ただし、本機能はMVN Animate Proのみで利用できます。
(GNSS設備(MVN-LINK GPS ANTENNA + VELCRO)とHTC VIVEは別途購入する必要があります)

スマホアプリの利用も可能です。アプリを通して、動きの確認や、収録の開始などの操作ができます。
  iOS
  Android

スーツのサイズはS、M、L、XL、XXL、XXXXLの6つから選ぶことができます。以下の表をご参照ください。

スーツのサイズ表

以上、第四回モーションキャプチャレビュー「Movella Xsens Motion Capture」でした。
個性が強いモーションキャプチャー「Movella Xsens Motion Capture」はいかがでしたでしょうか。
大規模プロダクションを行う会社の場合、MVN LinkとMVN Animate Proのセットは理想的な選択肢となるでしょう。
今回は検証を行っていませんが、小規模なプロダクションの場合は、より手頃な価格のMVN Awindaもおすすめです。

今回の検証には 株式会社テトラ 様にご協力頂きました。
テトラ様、ありがとうございました!

次回は「MocapForAll」をレビューします!
お楽しみに!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?