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【e-skin MEVA】モーションキャプチャーをテクニカルディレクターが一気にレビューしてみた:第九回 スーツレビュー 前編

テクニカルディレクターの小松です。

BASSDRUMによるモーションキャプチャレビューシリーズは先日の第八回『【Plask】モーションキャプチャーをテクニカルディレクターが一気にレビューしてみた』をもって最終回を迎えました。

連載終了後、モーションキャプチャスーツをヘルスケア領域で展開されているXenoma社から「当社のモーションキャプチャ製品も是非体験してください」とお声掛け頂き、実際にラボへお伺いしてスーツの体験と代表の網盛様へインタビューをしてきました!

毎度お馴染みスーツレビュー前後編とインタビュー編の計3本構成でお送りします。今回はスーツレビューの前編です。

それではどうぞ!
※本記事の情報は全て2024年1月現在のものです。



製品概要

全身で18個のIMUセンサーがスーツに埋め込まれている慣性式モーションキャプチャ。
センサー付きでありながら、普段着用するアパレル同等の状態で計測可能で、セットアップはスーツの着用と30秒ほどのキャリブレーションで完了することが出来ます。
センサー部の出っ張りがないため、アクターの動作を邪魔することなくモーションデータを取得することが可能です。
専用ソフトウェアは現在Linuxでのみ動作します。

  • 価格:¥3,000,000強(定価は非公開)



総合評価


精度 :      ★★★★☆
遅延 :      ★★★☆☆
手軽さ :     ★★★★★
他ソフトとの連携 :★★☆☆☆
価格 :      ★★★☆☆

長所

  • センサーが全てスーツに埋め込まれている状態のため、最も時間がかかりがちなセンサー装着のプロセスをスキップ出来ます。

  • 直接対応しているソフトはUnityのみですが、公式からSDKが提供されており、他ソフトへの組み込みの実質的な幅が広いです。

  • 慣性式に多く見られるドリフト(ノイズデータの蓄積による位置ズレ)に対する補完機能を有しています。

  • ランニングコスト0でありながら、問い合わせによるサポートに対応しており、アパレル・Hub等の細かいパーツ単位での追加購入が可能です。

シルバーのライン部分に導電線とセンサーが仕込まれている。

短所

  • 光学式に並ぶ精度とまではいかないため、1mmのズレも確実に取得する必要があるレベルの研究用途などには不向きです。

  • センサーからの情報取得にXenoma社が提供している専用PC(ソフトウェア組込済)を使用する必要があります


どのような人に向いているか

柔道など服装がパフォーマンスに大きな影響を及ぼすモーションの収録や、年配の方などセンサーの装着に不慣れな方々にオススメな製品と言えます。
センサー装着がスキップ出来ることや装着によるストレスが一切なく、動きに気を遣う必要(あぐらをかく際に邪魔になるなど)がないことはe-skin MEVAを選ぶ理由として十二分であると、実際の体験を通じて感じました。


次回後編では、より詳細に見ていきます!


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