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Leica製3DスキャナーBLK360を試す 後編

後編では実際に撮影したデータを見ながらBLK360の特徴を説明していきます。また、撮影したデータは公開します。

公開データは大きく2種類用意しています。頂点数の削減をほとんど行っていない.e57形式、そして諸々処理をして使いやすくした.ply形式です。BLK360の評価をしたい方は.e57形式を、高精度な点群をコンテンツでに持ち込んで表現を試したい方は.ply形式をダウンロードしてみると良いかと思います。どちらもファイルサイズが非常に大きいのでご注意ください(点群をアップロードするためにgoogle driveに課金しました・・・)。

データはKAGANHOTELさんや北原商店さん、精華大学さんなどのご厚意で公開させていただいていますが、通常この手のデータは商業利用の際は別途許可が必要になるので、利用は個人利用(SNS含む)やベンチマークまでにとどめておくのが良いかと思います。

.ply形式の処理内容について

.ply形式にするに当たり、4つの処理を行っています。

まずは点群データのマージとソート。1ショットごとの点群データの位置関係の設定を行っています。通常iPad PRO一部の撮影データがiPad PRO上で正しい位置に並べられなかったのでAutodesk Recap PROにて並べ直しを行っています。

次に点の削減。重複している点が多数あったり、意図しないエリアも3D化してたりするのでCloudCompareにて1モデルあたり1000万〜3000万頂点程度になるように点群を削減しています。

そして Scale配列の削除。点群にはXYZとRGB以外にScaleという要素が入っていますが、vvvvでは読み込めないということだったので削除しました(いまいち点群におけるScaleの使い方がよく判ってない)。

最後に各点群のマージです。また、保存形式ですが、vvvvがasciiの.ply形式のみサポートしているようだったのでascii形式のply形式で保存しました。

KAGANHOTEL

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昨年末にオープンした滞在型アートホステルのKAGANHOTELです。丁度Mariko Iguchiさんの展示「ONGOING」を開催中で、急遽の撮影だったにも関わらずご厚意で公開の許可をいただけました。

直線の多い建物で、1FとB1Fが繋がっていて3Dデータの面白さが良く伝わりますね。ONGOINの文字は黒色インクで書かれていたのですが、赤外線を吸収してしまったのか、点群が表示されませんでした。

Mariko Iguchiさんのサイトはこちら

KAGANHOTELさんのサイトはこちら

京都精華大学

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叡山電鉄の精華大前のホームから中庭までを撮影しました。水が貼っている部分は計測不能なようです。

謎の白い木が映ってますが、本当に白いわけではなく、露出がオーバーになっている状態で撮影されたためです。でもこれはこれで格好良い気もします。

京都精華大学のHPはこちら

北原商店

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北原商店という京都の駄菓子屋さんです。ちゃぶ台がなぜかまるっと計測できていません。かなり濃い色の木のちゃぶ台だったので赤外線を吸収してしまったのかもしれません。

恐らくBLK360はLiDARで計測できた点群に対してカメラの色を当てはめていく方式なので、LiDARでそもそも計測できなかった点(赤外線を吸収してしまう点)は記録されないんだと思います。

北原商店は外観のデータも同様に準備しています。

建物の外側ではなく、建物の内側を外から見ることができるのはなかなか新鮮な感じがします。

一部、丸く色が変わった部分がありますが、ここがBLK360の設置位置です。BLK360はほぼ全周囲を撮影できますが、足下直径60cm程度が撮影できません。なのでそこの部分だけ他の撮影データの頂点が代用されていて、その回は露出が若干異なるためこう言った状態になっています。

確か露出を固定する方法もあったような気がするのですが、今度は露出オーバーやアンダーの危険もあるので一長一短ですね。

北原商店のTwitterアカウントはこちら

北野天満宮

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北野天満宮です。僕はこの時立ち合っていなかったのですが、人通りが多かったのか人の影がちらほら写っています。撮影は1ラインずつ、1分から1分半程度の時間をかけて行われるので人は映り込んでも非常に細く映り込みます。

本来期待する撮影物とは違いますが、なんだか建築ラフの人影みたいで面白いですね。

撮影がカメラのように一瞬ではないので、基本的に撮影時は人通りの少ない時を見計って行うのが良さそうです。

京都御所

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森の木が意外といい感じ。やはり背の高いものがあると普通はあまり取れない点群の絵ができそうです。

カラー情報の取得がカメラの一発取りのため、レンズフレアがそのまま点群の色情報として焼き込まれてしまっています

また、このタイミングが夕方になりかけたタイミングだったので、BLK360の三脚の影が点群に焼き込まれている箇所もあります。

やはり撮影は曇りの日か、太陽が真上にあって影が短くなる昼間が良さそうです。

北野天満宮のサイトはこちら

CEKAI

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映像の制作会社であるCEKAIのオフィスであるKYOTO HAUSです。一回で大量の頂点が撮影できる上、そのレンジも広いBLK360ですが、フォトグラメトリと同様に凹凸の細かく一つの視点からだけだと影になる部分が多い空間(機材がいっぱい置かれているなど)は複数回の撮影が必要になってしまいます。このCEKAIの京都オフィスHAUSも非常に物と凹凸が多い空間ですが、中田さんが何十回も場所を変えて撮影してくれています。

また、今回のデータは全て点群を光源やマテリアルを与えないコンスタントな色で描画しているのですが、撮影時の頂点色がすでに撮影時の光源の影響を受けた結果の色が記録さているため、コンスタントでも光源の影響を受けたようなリアルな色で描画されています。

逆に言うと後で光源やマテリアルを変更したい場合はバウンスライトのようなものを設置して通常照明を切ったり、曇天の下で撮影するなどの撮影条件の工夫が必要そうです。

点群データを使った表現やデータの編集方法などはまた他の記事として執筆予定です。

KYOTO HAUSのサイトはこちら



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