見出し画像

Alibaba機材 Vol.01 15ドルのLEDバー

第一回目はテンプレートの模索ということもあり、以前Qiitaで紹介した機材の紹介をしてみます。

最初に

Alibabaで電子部品は購入したことはあれど、照明機材は購入したことはなかったのですが、vvvv使いで有名なTakuma Nakataさんが大学の授業用に購入されてるのを見て、これは俺も買ってみよう!と思い購入した感じです。Takuma Nakataさん、ありがとうございました!

購入したもの・不具合

購入したのは1m幅のLEDバーです。値段はなんと1本15ドル

画像7

単体で点灯してないときに撮影した写真が一個もなかった・・・見つけたら更新しておきます。フロントはクリアガラス。粒が丸見えです。一応拡散用のレンズが音チップで載せられていて、直径2㎝ぐらいの半球になっています。

背面は放熱も兼ねてアルミフレームで覆われています。ケーブルが出ているところはヒートガンで塞がれており、水が入ってこないようになっています。

画像5

30本ほど一気に購入したのですが、6本ほど(全体の20%)背面のアルミが曲がっているものがありました。

画像6

また、その後リピートで何度か購入した際に、使われているビスが丸皿ねじから六角ボルトに変更されて最終外寸が微妙に変わっている、ということもありました。

こういった外観的な問題はちらほらあったのですが機能としては極めて優秀で、その点において受け入れ時点で不具合のあったものは1つもありませんでした

コネクタはIP65の防水の樹脂製の3ピンのケーブルでした。頭とお尻からそれぞれオスとメスの端子が出ていて、これを繋ぎ合わせることでLEDバー同士をデイジーチェーンで接続することができます。

電源はT型ケーブルを挟んで途中で給電する形でした。このT型ケーブルをセットで1本から数本買わないと電元供給できなかったり、他の機材が燃えたりするので要注意です

でも基本Alibabanoスタッフが気を利かせて何本か見積もりの際に入れてくれます。大体10本から20本のデイジーチェーンにつき1つ挟めば良い、とのことでした。

スペック・使い方

スペックですが、こんな感じでした。

画像8

LEDは全部で48個ついているのですが、実際は3つで1つのPixelとして扱います。なので3x1の縦長のピクセルとして扱う感じです。Alibabaでは48LED16Pixelみたいな書き方をするのが一般的みたいです。

電圧は24V。以前、5VのLEDテープを使ってるときに電流の不安定さに悩んでいたのですが、これは電圧が高いせいか割と伸ばしても安定してます(10mぐらいまでは伸ばした経験あり)。

通信はSPI。DMXではないのでDMXやArtNetで使うには変換が必要です。自分は以下をよく使いました。

Pixlite

SPIを直接Artnetに変換してくれるデバイス。DMX機材を持ってない人はこちらがリーズナブルじゃないでしょうか。Pixlite16 Mk IIだと220ドル48000チャンネルを一気に制御できます。ちなみに今回購入したLEDバーは16ピクセルでRGBの3チャンネル1ピクセルに使うので合計48チャンネル使います。なので1000本一気に制御できる計算になります。

(リンクが貼れないのでこちらからどうぞ)

SPI to DMX Converter

会社に転がってたので使ってみました。こちらはSPIからDMXへの変換です。PCから制御する場合、SPI to DMXのこの製品とDMX to ArtnetかDMX to USBの変換の2つが必要なのでちょっと手間な感じがします。DMXは512チャンネルしか制御できないのでLEDバーもデイジーチェーンが10本で限界になります。

が、Alibabaで見ると20ドル台から手に入るのでDMXからPCへの変換が手に入る人なら良いかもしれません。テストパターンもプリセットで持っているので動作確認も手早くできて便利です。

(リンクが貼れないのでこちらからどうぞ)

電源

Alibabaでは電源は購入せずに、国内で購入しました。購入時に必要?って聞かれた気もしますが何故か購入せずにAmazonで買ってますね・・・まだAlibabaをあまり信用していなかったのかもしれません(中国と日本では電圧が違うし端子のカタチも違うし)。

結局Amazonで24V15Aの電源をいくつか購入しました。

こちらも特に問題なく普通に動きました。

配線図で言うとこんな感じです。こちらはPixliteを使った場合。

クラブの配信システム案@2x

こちらはSPI to DMX Converterを使った場合です。

クラブの配信システム案@2x (1)

導入事例

こんな感じに使ってます。ここにはないですが屋外などで使った事もあり、水滴などは全然大丈夫そうでした。

画像3

2018.09 at Forum Kyoto 

画像4

2019.07 at Club Metro

画像2

2019.07 at Club Daphnia

レイアウトの際の注意点

実際に買って光らせてみて判ったのですが、『(例え大量に制御してても)直接LEDが見えると安っぽく見える』ということでした。

なので壁に向けて打って間接光的な表現にしたり、フォグをガンガンに炊いて粒が殆ど見えないようにしたり工夫をしています。

また、DMX機器は通信の規格上一応20FPS(50ミリ秒)程度で動作する筈ですが、実質は10FPS程度から遅延や受け取り損ね、ちらつきが見られました

シビアにDMX機器を使ったことがないため、このデバイスに限らず全体的にそういうものなのかもしれません。最初は電圧の急激な変化についていけないのかもしれない、と思ったのですがそういうわけでもなかったです。

また、LEDバーの組み方を工夫することでかなりさまざまな見せ方のバリエーションが作れます。

・縦に何本か立てる
・横に何本か立てる
・四角を組む
・立体的な三角錐を組む

などなど。一方で兎に角設営・セッティングが大変になります。配線は比較的楽なのですがLEDをいい感じに取り付けたり組み立てたりする作業を現地でやろうとすると作業時間と人数が偉いことに・・・。

やりたいひとは車での運搬をおススメします。

設営の簡易化・効率化

あとは簡単に設営できるように3Dプリンタでねじ止めできるジョイントパーツをなどを作ってましたが、結論としては事前準備も含め、既製品のアルミフレーム+結束バンドの組み合わせが一番楽でした

ちなみに自分はTロックという金具で少ない部品でアルミフレーム同士を結合できるレコフレームをよく使っています(これはソフトデバイスの野々山さんに教えてもらいました、ありがとうございます!)。

大体LEDバー周りのときは25㎜のアルミフレームで組み上げてます。最近ではスタンドまでフレームで作れるようにしたので設営展示が非常に楽になりました(可動式のジョイントパーツなどは安定のミスミで購入してます)。

梱包・保存

最初は購入時に配送でつかわれていた段ボールで運搬していたのですが、いかんせん紙なのですぐボロボロになってしまい、色々考えた結果、ダンボールワンでオーダーメイドのボックスをプラスチックダンボールで作りました。一個4000~8000円ぐらいで、それに20本ぐらい収めてた気がします。

運用トラブル

ほとんどないのですが、フロントがガラスなのが少しネックです。1mという長さのためかわりとすぐ割れてしまいます。大体30本持ってイベントに行くと1本から2本割れて帰って来るのが常でした。完全防水なのでガラス周りにもヒートガンなどが塗られており、割れるとガラス交換とかじゃんくて買い直したほうが安い感じで、逆にいっそ手間がかからない感じなのですが、割れたガラスの始末などは少し面倒です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?