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技術者視点で見るCES 2023

1月5日から4日間に渡ってラスベガスで開催された世界最大級の電子機器見本市「CES 2023」。3年振りの本格開催となった今回は、世界173ヵ国から3200を超える企業や団体が出展し、以前の活気を取り戻しました。BASSDRUMからCESに参加した7名のテクニカルディレクターのうち、本日は小川 恭平が注目したプロダクトや展示をご紹介しながら、今年のCESを振り返ります。

メイン会場 LVCC

CESを構成する幾つかの会場のなかで、最大規模を誇るのがこちらのLas Vegas Convention Center(通称LVCC)。

メイン会場のLVCC

LGによる最新有機EL

メイン会場に入ってすぐの場所にあるのは、LGブースの「3D Video Wall」。

3D Video Wall
今年はOLED(有機EL)テレビ発売10周年

「BEST in show 2023」を受賞したLGのワイヤレスOLEDは、ワイヤレスで4K120Hzの映像・音声伝送ができる。

ずらりと並ぶトロフィーの数々


パナソニックHD子会社 Shiftallの新製品

昨年Innovation Awardsを受賞した「Hariyama x」を開発したShiftallの新製品。今年発売のワイヤレス版「haritra x」は、安価でモーションキャプチャができるので、mocopiの対抗馬になりそう。

コントローラーを手首に固定できるデバイスは、開発者的にもありがたい。

Flip VR

軽量かつ、高解像度のVR HMD「MeganeX」。 ビジネス版は片目ごとに視度調整ができる。

Megane X


LYNXの「LYNX R-1」

今年のInnovation Awardsを受賞したヘッドマウントディスプレイ「Lynx R-1」。2つのRGBカメラから見えるビデオパススルー映像は、Quest PROより高解像度。 Ultraleapとの提携でハンドトラッキングの機能も搭載。ARコンテンツとの相性が良さそう。

Lynx R-1


OWOのハプティクスーツ

昨年Innovation Awardsを受賞したOWOのハプティクスーツ。電気による刺激で、風の刺激や銃弾の衝撃など様々な感覚を体験できます。

OWOのハプティクスーツ


LOTTEのメタバースプラットフォーム

ロッテが自社開発する、メタバースプラットフォームでのオンラインショップデモ。UE5で開発中とのこと。


Dassault Systèmesによるインタラクティブコンテンツ

Dassault Systèmes(ダッソー・システムズ)によるインタラクティブコンテンツ「MeetVirtualMe」。骨格検出して自分と同じ動きをするアバターを、LEDキューブを使ってホログラム風に演出しています。


HD Hyundaiが注目する Ocean Mobility

HD Hyundaiによる海上モビリティの展示。 ロボットアームで制御した大型ディスプレイの映像をモビリティの前に重ねて、AR的な演出で構造を説明しています。


Nikonのバーチャルプロダクション

Nikonスペースのバーチャルプロダクション体験。ミラーレスカメラ「Z9」を、ロボットアームのBolt Xを使ってトラッキングしています。 体験後はQRコードから撮影した映像をダウンロードできるようになっています。


Sonyの実証実験

Sonyによるメタバース空間でのサッカーチームのファンコミュニティの実証実験。 グループ会社HAWK-EYEのボールや人のトラッキングデータを使って、ゴールシーンをメタバース空間で多様な視点から再現できる。 自分のアバターが再現シーンの中に入ることも可能なようです。

同じくSonyによるポータブル式ボリューメトリックキャプチャのデモ。 本来、数十台のカメラが必要な技術ですが、7台のAzure Kinectを使ってキャプチャし、低遅延でバーチャル空間内にストリームしています。


Diver-X社のContact Glove

日本のDiver-X社のContact Glove。 ハンドトラッキング機能のみならず、スティック型のコントローラで行っていた入力がグローブだけで可能に!

Contact Glove


BRELYONの没入型パノラマ・ディスプレイ

米スタートアップBRELYONによる、没入型パノラマ・ディスプレイ。 頭を左右に動かすとHMDを着けたときに似た奥行を感じることができます。


holorideの体験デモ

自動車の動きとVRコンテンツが同期する、holorideの体験デモ。 車から加速度やGPSの位置情報を受信し、Bluetoothでヘッドセットに送信するデバイス「holoride retrofit」が新発売とのことです。

holoride


香港のスタートアップ

観客と自然に対話できるインタラクティブなバーチャルヒューマンを開発する香港のスタートアップ。 観客のリアクション次第で展開をリアルタイムで変化させる、ストーリー生成エンジンの開発もしているとのこと。


CanonのMREAL X1

Canonの新作MRデバイス「MREAL X1」。産業用途でも開発されているため、パススルー映像はかなり鮮明で、手元もくっきりと映ります。手のオクルージョンも可能。 MREAL X1を使って、イマーシブな映像体験ができるエンタメブースもありました。 セットの中を歩き回りながら、ボリメトリックキャプチャされた演者と一緒に物語を進めていきます。

MREAL X1


Magic Leap2とNvidea Omniverseによるデモ

リアルタイムレイトレーシングをしていて、ブース上のライトが車のボディに映り込んでいます。

Magic Leap2


MuxwaveのLEDスクリーン

Muxwave社のLEDスクリーンは、メッシュ状になっていることで、スクリーンの奥が透けて見えます。

LEDスクリーンのクロースアップ

Sonyのmocopi

Sonyのモーションキャプチャデバイス「mocopi」(モコピ)のデモ。この時はUE5でMetahumanを動かしていました。


OVR社の「iON」

最後は、OVR社による嗅覚のバーチャルリアリティデバイス「iON」。BluetoothでアプリやVR機器、PCと連携できます。いくつかの基盤となる匂いのパラメータを制御して、何千通りのもの匂いを生み出すことができるようです。

iON

以上、画像と動画で「CES 2023」を振り返りました。ウェブメディア「FINDERS」では、後日小川によるさらに詳しいレポートが掲載される予定です。また、会期中に現地からゲストと共にお送りしたレポートはBASSDRUMの技術情報番組「BD LIVE」にてご紹介しています。こちらもぜひご覧ください。

それでは、来年もCESレポートをお楽しみに。

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