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アホになるとプロジェクトの全体像が掴める

こんにちは、poipoi です。

「テクニカルディレクター目線で考えるプロジェクトマネージメント」
の TIPS を紹介してみる記事。

今回は、プロジェクトの全体像を掴むためにまずは「アホ」になってみようというお話です。


プロフェッショナル達と円滑に仕事を行うには

プロジェクトは通常、様々な専門家が集まって進行していきます。

デザイナー、エンジニア、マーケター、ディレクター、プロデューサー・・・などなど。

私でいうと、広告系イベントや展示関係などなんだかちょっと変わった企画モノのハンドリングをすることもよくありまして、
そのいうプロジェクトの場合、それこそ「そんな職種あったんだ」なんてレベルの全くこちらに知識がない分野の専門家さんと一緒にチームを組むことなんかがあります。
(車を改造する専門の会社さんとか、カラクリを作る作家さんとか、独自センサーを開発しているメーカーさん、などなど)

基本的に彼らはプロフェッショナルなので、もちろん個々の専門領域において専門的な知識や技術を持っていらっしゃいます。
そして、こちらは彼らの職域について全くの無知だったりするわけです。

そういったプロジェクトの場合、プロジェクトを円滑にハンドリングするために避けたほうがよい行動があります。

・知ったかぶりして対等に話そうとする
・知識がないので先方に全部お任せする

前者はもちろんプロに対して失礼な態度ですし、こちらが発注サイドだったりすると彼らの中にも
(本当はもっといい方法があるけど、発注側がそう言ってるから従おう…)
みたいな遠慮が生まれてしまいせっかくの彼らの提案を封殺してしまいかねません。

かと言って後者のように丸投げしてしまうと、こちら側の意図がうまく伝わっておらず、こちらのイメージと異なるものが出来上がってきたり、別のメンバーとの齟齬が発生してしまったりします。
(プロ達はそれぞれの分野についてのプロであって、決してプロジェクトマネジメントのプロではないのです。)


では、どのようにすれば円滑にプロジェクトが進むかというと
・こちらの意図を彼らに適切に共有し
・全体進行はこちらでハンドリングをしつつ
・彼らの専門性をフルに発揮して自由に作業してもらう
という環境を作ることが大事です。


アホになってみる

そこで私が行なっている事が、
「とりあえず初回の打ち合わせで、完全にアホの子になってみる」
ということです。

どういうことかというと、仮に自分がちょっとでも知識があったりするような事柄でも、知ったかぶりたい気持ちをグッと堪えて

「すいません、私この件に関しては素人でして、この部分がどうなっているのかもう少し詳しく教えていただけますか?」

とか聞いてみたりします。

少しでもわからない部分や不明点などがあったらとにかく

「ちょっと無知で申し訳ないのですが、御社のような業界だと通常どういったプロセスで進めるんですか?」

「イメージができてなくて申し訳ないのですが、この部分は〇〇のような理解であってますか?」

など、とにかく自分がアホだという前提に立って色々と聞きまくります。


こういった聞き方をすると相手のプロの方もとても親切に教えてくれる場合が多く、彼らの大まかな専門性や彼らが通常行なっている仕事のプロセスや考え方などを広くインプットする事ができます。

これらを各プロジェクトメンバーに対して行なっていくと、それぞれの仕事の進め方や必要なリソースが何かなど、個々の情報が頭の中で繋がっていきプロジェクト全体の地図のようなものがイメージできるようになります。

ここまでくると例えば
「この間こういう工程があるっていってたから、それまでに〇〇さんにこういうデータ作ってもらわなきゃな」
みたいなイメージができるようになり、以前他の記事で書いた「タスクの合流地点」を意識しつつプロジェクトをハンドリングできるようになります。
タスクの合流地点の話はこちら


このアホになるテクニック、ポイントとしては
「アホだと思われてもいいから、こちらから話題を切り出す」
と言うことです。

マクドナルド理論という理論がありまして、人はとりあえずそれが悪いアイディアだったとしても、一度話題が提起されるとそれにフォーカスして考えてしまう癖があるわけです。

上記は会議などでのアイディア出しを例に出していますが、今回のような場合でも有用だと私は考えていて、まず話題を提供するとそれについて考えたり意見を言ったりしてくれる事が多いんですね。

なのでこちらがアホと思われても、まずは話題として話を出す。聞く。というのが重要だと思っています。


という事で、今回はこのへんで。

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