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不思議な宿

先日Twitterで話題になったこともあり、知ってる人もいるかと思いますが、この「不思議な宿」のなかのコンテンツのいくつかを担当しました。どこ担当したのかとか、制作過程とか少し書いてみます。

はじまり

「佐藤ねじさん」のことは、知っていたし面白いプロジェクトやってるし、ブルーパドルの深津さんとは仕事したこともあったので繋がりはありました。そんな中、深津さんからお誘いがありました。「京都の宿屋のプロジェクトがあるんですが、参加してもらえませんか?」と。

京都の宿屋とブルーパドルという、なんだか結びつかない二つのワードに「?」が出ながらも面白そうな話なので、ぜひ参加したいと伝え始まりました。ずいぶん昔のことです。2017年の1月でした。(いつ聞いたのか調べてビビった。。結構昔)

最初は「変な宿」だった気がします。文字通り変な宿を作ろうと。たくさんアイデアを考えてました。最終的にはボツったアイデアにも面白そうなものはたくさん。

常設であるという難敵

宿屋ですから、常設です。1ヶ月の展示か長いなーとかそういうレベルではなく、常設です。

siroに期待されたのは、動くカラクリです。何かの演出の時に動き出すようなもの。提灯が上下に動くとか、そんな話もありました。

常設でメカというのは、基本メンテナンスとの戦いになります。できれば壊れにくいものがいいわけですが、最高に面白いものを作ろうという時に、「壊れるのは困るからこの辺で」というのは企画の場としては盛り下がる話になります。なのでアイデアとしては、実現性も高く、壊れにくいし面白いものを考えたいわけです。制約なく面白いものを先に考えちゃうと実現できないとわかった時にがっかりするので、いい塩梅のアイデアが出るように技術のことを念頭におきながら発想していきます。

最初に話したのは、ソレノイドでノックですね。

最終的にはノックの出力自体は「お柱さん」などに採用されたものです。単純なことで、ソレノイドで机とかを叩くわけです。机の中とか下とかに仕込めば、机をノックしたような音と振動が再生されます。でも、これはスピーカーではなくて、実際に机を叩いて鳴ってる音なので、ある意味「リッチ」な音となります。ソレノイド自体はそんなに簡単に壊れる物でもないので、いいバランスということで提案しました。

上記の動画はノックで入力、ノックで出力なので、これはこれで面白い。いつかどこかで使いたいですね。

どうしてもやりたかった降ってくる紙

最初に完成したお柱さんの体験してる様子をみてください。「お柱さん」と呼びかけると、まずノックで返事します。その後、音声でお願いをするとそれに応じて違うことをしてくれるんですが、この動画のように「おみくじをください」とか「私の運勢は」とか言うとおみくじを印刷して落としてくれます。

これは単純に、感熱紙プリンターで印刷して、オートカッターでフルカットして落としてるだけなので、特別なことはなんもやってません。ただ、プリンターの設置位置が妙に高いだけです。

こういうずれ、面白いですよね。こういう面白さは普遍性があって、子供でも大人でも面白くて、平和な笑みが生まれます。

お柱さんは、割といろんなコマンドに対応してて、様々な面白さを生み出しています。

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時計とトイレサインと提灯

一回のカフェ空間でからくりたくさんやりたいよねってことで、結構これは無理もしました。。

まず、トイレサイン。トイレサインを動かしたいと要望をもらったときは、これはちょっと手を抜こうと思ってました。首が動くぐらいの簡単なものを考えてました。動かないものが動くだけで面白いのは想像がついてたので、ここはソーラーでずっと揺れるポップ用のものとかを使ってサクッと作るべきだと思ったんです。

でも、音楽に合わせたいという要望が追加できたので、もうこれは制御するしかないと。。。

とはいえ複雑なものはやらずにサーボで動かす程度で腰をくねくねできると思ったので、早速3Dプリンターで試作。

サーボをつけるとあっという間に、ノリノリになりました。

最終的には、3DプリンタではなくてPOMを切削してつくりました。(微差)

時計

これはちょっと得意な人に手を借りました。真壁友さんです。

こんなすげー作品を作ってる人です。相談したらサクッと作ってくれました。2つのステッピングモーターで、時針と分針を個別にコントロールするものを依頼しました。ソフトはこちらで書きますので、ハードを設計製作して欲しいと。

ステッピングモーターで制御してるので、正しい時間に動くようにプログラムしたら普通の時計として振る舞ってくれます。あとは音楽に合わせてOSCで制御できるようにプログラムを作って完成。

提灯

提灯というか照明器具ですね。これは回転と光を制御できるように作りました。回すのは比較的安全なからくりなので、モーターを使って回します。

照明を回すのは他の案件でも経験済み。

連動するシステム

これらの個別の装置たちはすべてOSCでコントロールできるように作りました。なので、最終的には音楽に合わせてOSCを送れば連動して動くようになるわけです。

siroの部屋

あと企画の途中で一つ宿題がきました。「部屋のうちの一つをsiroの部屋にしますので、考えてください」と。

たしかにそれは名誉なことなんで、考えて作ることにしました。

この回す部屋がそうです。

いや、最初はね、もっと大きなものを回すことにしようと思ったんですよ。電動で大きなものが回ってるとか、電動じゃなくて手動にして回してもらうとか。回すことでお経を唱えたのと同じことになる「マニ車」みたいに回すことでなにかありがたい気持ちになれるようなものとかね。

ただ、常設の壁を考えた時に、不安になることが多くて、、考えた結果「回す部屋」という名前は守ったまま「ダイヤルを回す部屋」にしました。

黒電話のダイヤルって若い人は触ったことがないかもしれないし、触ったことがある大人たちにとっても懐かしい感じがしつつ、面白いインターフェースです。音声合成で喋らせることで、装置が質問をしてきて、それにダイヤルで答えるという不思議なコミュニケーション端末にしました。

配線むき出しで変な仕上がりですが、不思議な宿なんで、そこは気にしません。

※上記動画は開発時点のもので一部最終版と違うところがあります。

他にもネタはたくさん!

自分が関わったところを紹介しましたが、他にもたくさんネタが仕込まれています!詳しくは公式サイトでみてください。


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siro Inc.
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