鍛治屋敷圭昭(BASSDRUM)
人体をハックする / CES2019
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人体をハックする / CES2019

鍛治屋敷圭昭(BASSDRUM)

ハードウェアハッカー著者のアンドリュー"バニー"ファンも、生物だってハードウェアだと言ってハックしていたし、バイオテックが年々勢いを増しているということで、今回の CES ではバイオやヘルス周辺をちょっと気にして見ていた。

結論としては、8割くらいのプロダクトは、センサリング、ロギングの妙をベースに、ソフトウェアとつないで健康状態の分析や情報のレコメンド、ユーザーのケアを行うようなものだった。つまり、やってる事自体はそんなに目新しいものがあるわけではなく、まだまだ勢いがあるような感じではなかった。

しかしながら、その中でも一部、人体の特徴を利用したり直接働きかけたりするものがあった。

例えば、PainCareLabs が出していた DuoTherm というプロダクト(プロトタイプ)は、振動と冷気(もしくは熱気)によってユーザーが感じている痛みを緩和するというものだ。これは人体の痛みが特定の感覚によってマスキングできるということを知っていないと発想できない。

実際には、展示されていたプロダクトでは十分に動作しておらず、このハチのバイブレータと冷却ジェルでデモを行っていた。

それから、次に紹介する LENUS FREEDOM というところが出していた、これまた痛みの緩和のためのプロダクトなのだが、こちらはより直接的で、電極となっている針を側頭部に刺し、神経に直接適切な刺激を与えることでユーザーの痛み軽減する。

刺す針のキットはこんな感じのものだった。これが何かしらの刺激を発生させるモジュールにつなげられる。

我々のようなインタラクティブ・クリエイティブを出自としているテクニカル・ディレクターは、ソフトウェアの技術やメカニクス、エレクトロニクスの知識を持ってはいるが、化学的なノウハウやバイオテック的アプローチに長けている人はほぼいないのではなかろうかと思う。

一方で、先立って清水が書いていた、VR / AR から、より大きなくくりの Immersive という概念への進化するという話に象徴されるように、

体験型のコンテンツ需要の高まりなどから、いかに人間そのものをハックするか、みたいな視点はこれからも需要は増してくると思われるし、バイオインフォマティクスみたいな分野がより発達してきた暁には、それこそ人体を工学的にどうにかするようなことも出てくるだろうと思う。

ということで、今回はそんなに勢いがある感じではなかった分野ではあるが、今後の動向を引き続き注目してみようかと思っている。

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