試しながら議論する|ワンチームで深める事業アイディア創出支援 【GEMINI Laboratory by TOPPAN INC.】
BASSDRUMが行ったこと
BASSDRUMが行ったのは、TOPPANと共同チームになることと、そのうえで、議論を重ねながらアイディア創出をし、コンセプトモデルを製作することです。
アイディアを形にする工程にはいくつもの条件が存在します。例えば、そのアイデアが技術的に実現可能であることや、顧客にとって体験価値があることなどです。良いアイディアはあらゆる制約のなかで育まれるとも言えます。そして、これらは卓上の議論だけではあぶりだせず「実際に試してみる」ことでしか進展しない側面があります。
BASSDRUMはTOPPANとの共同チームを構築し、アイディエーション、ワークショップ、プロトタイピングなどを実施。実現化の前に立ちはだかるあらゆるハードルをワンチームでクリアしていきました。
アイディエーション
GEMINI Laboratory には BASSDRUM 参画以前から「マテリアルデータの活用」「リアルとバーチャルの融合」というテーマが設定されていました。また、同社のコンセプトは、自社保有の既存アセットになにか1つを足すことで価値が付与されるという「Plus One Layer」です。プロジェクトを前進させるため、これらを踏まえつつ、技術的に実現可能なアイディアを検討する必要があったのです。
BASSDRUM がこのプロジェクトに参画した際に、TOPPANサイドで事前に検討していたいくつかの発想を参考に、技術的に実現可能性の高い2つのアイディアを新たに提案しました。
こうした提案のコア部分は、最終的なコンセプトモデルまで引き継がれました。
BASSDRUMでは内部で蓄積している知見を活用することで、技術的な実現可能性(=フィージビリティ)を考慮したアイディアを提案することが可能です。本事例でもプロジェクト参画の早い段階から実現可能なアイディアを提案でき、結果的に手戻りが少ないプロジェクト進行を行うことができました。
ワークショップ
提案したアイディアのコアになる体験価値は「触覚フィードバック」と「RoomPlanによるAR表現」でした。こうした体感を伴うアイディアのブラッシュアップには、それらを実際に体験しチーム内で共通の体感認識を持つことが不可欠です。特に触覚フィードバックに関してはまだ発展途上の技術のため、その実現可能な範囲や制約について共通認識を持つ必要がありました。
TOPPANとBASSDRUMという知識領域の異なる二者が一体となってプロジェクトを進めていくために、いくつかのワークショップを実施しました。
要素技術への正しい理解を共有することで、共通認識を深め、アイディアを「絵に描いた餅」にせずにブラッシュアップできました。
プロトタイピング
言葉でやり取りをするよりも試作品を手に取ることで、新たな気づきが得られたり、議論が深まったりすることがあります。そこで、体験可能なプロトタイプを作成し、そのプロトタイプを体験しながらアイディアをブラッシュアップ。実際に体験可能なプロトタイプを触ることで、どのような方向に可能性を広げられるのか、逆にどのような制約があるのかなど、アイディアに関わる背景情報をチームメンバー全員で共有し同じ視点で議論できました。
また、プロトタイプは一度製作して終わりではありません。アイディアのブラッシュアップに応じてアップデートしていき、体験と議論のサイクルを何度も回すことで継続的なアイディアの改善を行う構造を構築できました。
言葉や資料での議論に加え、プロトタイプを用いたアイデア検討を行うことで、立場の垣根をとりはらった密なコミュニケーションを実現しました。
こうしたアプローチによって「架空のマテリアルを触るという体験はどうか」「振動子を2種使うことで質感の解像度をあげよう」など、具体的な改良ポイントを出し合うことができ、新たなアイディアの創出とブラッシュアップを効率よく進められました。
制作した触覚デバイスと体験システムのデモ
制作したARアプリケーションのデモ
THE CLIENT AND OUR TEAM
Client:TOPPAN株式会社
全体
Producer:奈良 優斗
Project Manager:鳴海 侑希
Tech Director:森岡 東洋志
Haptics Ball(PROTOTYPE)
Tech Director:伊藤 潤
Engineer:山川 拓朗(siro)
RoomPlanApp(PROTOTYPE)
Tech Director:松山 真也(siro)
Engineer:柴田 一秀(siro)