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自然現象を制御

なんとなく、メディアアート的な作品を作り始めた頃からの作品の話を記事を書いてみようと思ったので、まずは、ここから書いてみる。

自分は富山の高専で電気科に入って、そのあと和歌山大学のシステム工学部に編入し、最後に多摩美の大学院に進学した。工学系から美大に入ったタイプで、ややレアな感じ。

泡で文字を表示する装置

頭の画像は、和歌山大学の時に作った作品で、泡で文字を表示する装置。これは、卒業研究で作ったんだけど、とにかくこの時は画面から出たかった。

その経緯を書く。なんだかだんだん遡る。

高専の頃から個人的にマックのシェアウェアとか開発してて、画面の中で何か作るというのは楽しくてたまらないことだった。とくに使えるソフトを作って公開すると雑誌とかに掲載されたりして徐々にユーザーがつくという現象が当時もあって、数百円のソフトでもみんな律儀にお金を振り込んでくれたりした。

上記の動画は、和歌山大学時代に作ったタイピング練習ソフト。詳細な解析を特徴とする。1000円で配布してた。懐かしい。中級クラス以上をターゲットとしてて、ホームポジションとかわかってて、すでにブラインドタッチできるんだけど、さらに速くなりたい人向け(つまり自分)。かなりマニアックに解析され気味。リプレイとかも実はイメージ掴むのに良かったりするというマニアックぶり。

こういうの作るのは楽しくてしょうがない。もっとスタディっぽいOpenGLの習作みたいなのもたくさん作ってた。でも、なんかやっぱり画面の中だけではなくて外の何かを制御するとか興味があった。画面の外に出てなんかやるべきだなーと。どうやってやるのか全くわかんなかったけど。

というのとで、大学の最後はとにかく、「コンピュータで何かを制御して作品作る」というのは決めていた。あとは、「水とか自然のモチーフを使うとウケるだろう」とか斜めに考えてた。で、思いついたのが、泡で文字を描くこと。パイプに液体入れて下から空気を入れれば泡が制御できるだろうと想像してやってみた。最初は苦労があったけど、マックからI/Oボード経由で電磁弁をオンオフするだけで実現できることがわかり、なんとか形になった。

それにしても、この動画は時代感じる。大学院の時に富山のワンダーラボという施設に納品したバージョンで、メンテナンスに行った時に撮った動画。操作がトラックボールという渋いシステムで、制御のマックはPowerMacintoshの7000番台とかだった気がする。納品後数年で壊れてMac miniに変えたんだった気がする。

美大に進学

自分はかなりテッキーな感じ。でもアプリ作ってたりしたんで、デザインとか学んでアプリ開発のスキル高めたいという気持ちがあった。コード書きつつデザインとかアートをリスペクトみたいな感じ。

大学の頃かな、ジョン前田さんを知り、岩井俊雄さんを知り。ようこそ先輩とかで岩井さんが出たのがそのあたりだったかな。これはやばい。こんな仕事があるんかと。で、メディアアート的なことをやりたいということに。こんなので食える気がしないと思いつつも。

縁があり多摩美の大学院を知り、情報デザイン学科の一期生が四年生になる年に大学院一年生になった(ゼロ期生)。情報デザインという枠はなく、ただデザイン科という枠の中に入った。それが最高の環境で、テキスタイルの学生とか、クラフト系の人たちも同じだったり、グラフィックの人とかも一緒。なので、自然とコラボが発生して、人の作品も手伝ってた。

テクノロジーをわりと自由に扱うので、美大では変に目立った記憶がある。テッキーなスタディをいろいろやり、最終的には波紋の生成マシーン作った。


超音波で波紋を作る装置。波紋のパターンで遊べる装置。言い換えると波紋パターンの試行錯誤ツール。リズムマシンのように波紋パターンを作ることが可能。

自然現象の制御

これをテーマに作品シリーズ展開してみようと大学院の頃やってみたけど、なんか思考の渦にはまったりして、この方向性は無理があるとか、立ち止まることも度々。大学院を出たあと、しばらくこの方向では新作作らなかったな。

今日はここまで。誰かの何かに役立つことを祈りつつ、自分の整理のためにもこのシリーズは続けてみます。





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