dot river の少し裏側② @ぺらぺらのゴムに助けられた話
2019年 7/4(木)に 「カルピス®100th 七夕に会おう展」にて、「dot river」 が公開されました。BASSDRUM は、テクニカルディレクションと一部開発をお手伝いしたしました。詳細は下記を参照ください。
◎ 設営現場に潜む魔物
現場では得てして想定外のことが起きます。超現場のトピックを一つ紹介します。体験者が持つ玉についてのエピソードです。dot river では、体験者が明滅する玉をコントローラーとして、ドットが敷き詰められた空間の中を歩くというインスタレーションです。
その体験者が持つ玉のざっくりとした設計図が下記です。
この設計に対して、完成した球がこちら
触り心地/見た目/光の撹拌具合も満足いくものでした。そして、制作した身からすると、この玉は LED制御マイコン入っているし、体験者の位置トラッキング用の機器ものった、比較的精密な機器に値します。
絶対振り回さないし、めちゃ 丁寧に扱います。
それはまぁ 制作者のエゴであって 体験者からするとそんなこと知ったこっちゃありません。認識が甘かったです。
いざ設営現場に入り 設営&検証 を行ってみると、
有ろう事か 身内の人間 がブンブン振り回しておりました。
しかも、完全に意図的ではなく「無意識」に。
止めに入った私に発せられた一言が、
「これは 振り回したくなる アフォーダンス がある!」
アフォーダンス...!?
そうなんです、、この玉の作りは、
テニスボールサイズの軟質球 ← 投げたくなる
ストラップ機構 ← ブンブンふりまわしたくなる
ユーザーフレンドリーさを求めるあまり、ある種 一番恐れていた方向に全フリの仕上がりにもなっておりました。
その結果、1日でこんな姿に。
基板からLEDに伸びている電線がびよーんとなっており、
LEDの根元部分は断線しかかっていました。
現場に潜む魔物は身内でした。まぁ 実を言うとコレを検証時にやってくれたおかげで、爆速で現場でアップデートを行うことができ、会期期間までに故障しないハードウェアに仕上がりました。
◎ たかがゴム、されどゴム
そこで登場したのが、ぺらぺらのゴム、熱収縮チューブです。(※ 上記、オヤイデ電気の画像参照) 偶然にも、会場の 3331 アーツ千代田 が秋葉原と近かったため、電子工作部品は入手し放題。 とりあえず、講じることができる策は思いついただけ、パーツを買いに行く → 試すという試行錯誤を行い、たどり着いた解が熱収縮チューブでした。下記画像が、改修前と改修後の画像です。
【ストラップ〜ハーネス〜LED】部分をまるっと熱収縮チューブでまとめました。ペラペラのゴムを圧着するだけで「強度が恐ろしく担保さた」ことと、「美観の向上」につながりました。たかがゴム、されどゴム。
◎ 11日間の展示に耐える
会期数日前まで 1日で壊れかかった玉たちが、圧着したゴムによって
・1日 約9時間
・会期期間(7/4-14) :11 日間
・4000人近くの体験者
会期期間フル稼働でも、乗り切ることができました。
現場作業ではこのような瞬発力を求められることが多々ありますが、それもまた楽しみでもあります。